
婚約破棄。
それは、結婚を控えた人が、これからの結婚生活に不安や迷いを覚え、結婚に踏み切れず、結婚を取りやめることです。幸せの絶頂から不幸のどん底に。
何も手につかない状況になるでしょうが、実際婚約破棄となった場合、やらなければならない手続きは沢山あります。もし、婚約破棄となってしまった場合、どのような手順で何をしたら良いのでしょうか?
婚約破棄後にしなければならないこと、その手順などについて調べてみました。
目次
婚約破棄後にすること
婚約破棄が決まってしまったら、何から手を付ければよいのでしょうか。様々なキャンセルの手続きやお世話になった人への報告、お祝いの返金など、早急に取り掛からなくてはいけない重要な事柄をあげてみました。
式場・新婚旅行などのキャンセル
式場や新婚旅行などはキャンセル料金がかかります。日にちが迫れば迫るほどキャンセル料金が高くなるので、婚約破棄が決定したらとにかく早めにキャンセルの連絡を行わなければなりません。キャンセル料は、破棄の理由を作った方が払うのが原則ですがお互いが納得した上で婚約解消するなら、折半にする場合もあるようです。
婚約解消の報告
1.仲人
仲人がいる場合、仲人のもとに二人揃って直接出向いて事情を説明しお詫びしなければなりません。「薄謝」と書いた熨斗袋に謝礼相当の金額を入れ、お詫びとお礼をします。二人揃って行くことが出来ない場合は、
- 双方またはどちらかの親
- 婚約解消を申し出た者
- 親しい方
が出向くようにしましょう。出向かなかった一方も手紙などを書いて送った方が良いでしょう。
2.主賓
結婚式の招待ゲストの中で最も格が高いゲストである主賓には、婚約解消を申し出た者が、お詫びと断りを行いましょう。
3.挙式や披露宴で特別な用事を頼んだ人
司会者や受付、スピーチや余興を頼んだ人には、頼んだ側がお詫びや断りの連絡を入れましょう。
4.結婚式・披露宴に招待した人
結婚式や披露宴の招待状を出した人には、「婚約解消通知書」を送りましょう。理由や経緯などを伝える必要ありませんが、お詫びの言葉を添えて、婚約解消の事実を伝えましょう。相手との連名が好ましいですが、それが難しい場合は自分の名前だけを書き、それぞれが自分の関係者に送りましょう。
相手からもらったものを返す
結納時や婚約期間中に送りあったものは、基本的には相手に返します。見合い写真や家族書・親族書、結納品や結婚記念写真などがある場合も返却します。
結納金は、男性側に非がある場合は、返却を辞退するのが一般的です。スーツや指輪など返却されて困るものの場合は同額程度の商品券などを返します。
頂いたお祝いを返す
すでにお祝い金を頂いている場合は、お詫びの手紙とともに同額の現金または商品券などを返します。お祝いの記念品など物の場合は、同額程度の商品券などを返します。
結婚準備などにかかった費用の清算
結婚準備でかかった料金を計算し、清算します。新居にかかるものや挙式、披露宴、新婚旅行などです。基本的には折半ですが、一方に非がある場合、片方が全額負担する場合もあります。
婚約破棄の慰謝料について
状況によっては、婚約破棄によって慰謝料が発生する場合があります。どのような時に慰謝料を請求できるのか。相場や請求の流れなどについて調べてみました。
慰謝料を請求できる場合
正当な理由がなく婚約を破棄された場合、契約違反として慰謝料を請求することが出来ます。もちろんあなたに落ち度があれば婚約破棄されても文句は言えません。また、本人たちだけでなく、第三者に婚約の意思を示しているなど、客観的な婚約の事実が必要となります。
正当な理由とは
- 相手に不貞行為があった場合
- 社会常識から逸脱するような言動や虐待、侮辱を受けた場合
- 相手が精神病や身体障がい者になってしまった場合
- 相手が失業・倒産などで収入が激減した場合
- 相手に前科や借金などがあった場合
- 理由もなく挙式や婚姻届けの提出を大幅に延期された場合
正当な理由として認められないものとは
- 相性・性格の不一致
- 当事者以外が婚約を認めない
- 年回りが悪い
- 家柄・家風が合わない
- 方位が悪いなど
慰謝料の相場
婚約破棄の慰謝料の相場は、50~200万円と幅広いです。高額になるのは、婚約破棄された側に全く落ち度が無かったり、交際期間が長かったりする場合が多いようです。慰謝料は請求するだけならば誰にでも可能ですが、最終的に慰謝料請求が認められるほどに証拠を集めるのは簡単なことではありません。時間と労力に見合った額の慰謝料を受け取るのは簡単なことではないようです。
慰謝料請求の流れ
1.弁護士に相談
慰謝料請求は、その道のプロである弁護士に相談するのが一番です。弁護士費用の心配などもありますが、弁護士をたてることで、話が早く進んだり、弁護士が代理人として交渉や手続きをしてくれるので、自身の負担が少なくて済みます。
2.自身で請求する
慰謝料を自身で請求することも出来ます。弁護士という後ろ盾がない分、効力は薄れるかもしれませんが、費用面での負担は少なくて済みます。その場合は、内容証明郵便を利用して請求すると良いでしょう。内容証明郵便には、証拠力を得る効果や心理的圧力を加える効果、確定日付を得る効果などがあります。その場合、内容証明郵便の文字数に従って、
- 婚約の事実
- 婚約破棄に正当な理由があるということ
- 慰謝料請求の旨
- 請求金額
などを記載します。
3.裁判
請求をしても相手が慰謝料を支払ってくれない場合には裁判を起こす必要があります。その場合以下の手順で行います。
- 訴状の作成
- 訴状の提出
- 訴状の送達
- 口頭弁論を繰り返す
- 判決
状況によっては裁判途中で和解が成立することもあります。
さいごに
正式に籍を入れていない場合でも、別れることに対して慰謝料の発生する婚約破棄。
その理由は様々ですが、中にはマリッジブルーから婚約破棄を申し出る方もいらっしゃいます。症状の差はあるものの、結婚を控えた女性の7割以上が経験するというマリッジブルー。一過性のものである場合が大半ですが、残念なことに婚約破棄にまで至ってしまうケースもあるのです。
婚約破棄によって、お互いの家や親戚同士の関係などにも悪い影響が出ないように、きちんとした手順を踏み、出来るだけ傷を浅く済ませるように対処して、婚約破棄という大きなショックを乗り越えましょう。