
近年、日本をはじめとする先進国では、平均初婚年齢が高まり晩婚化傾向が強まっています。経済的に自立する女性が増え、女性がなかなか結婚に踏み切れなくなっているためだと言われています。少子化へのつながりも問題視されている晩婚化の原因や理由について検証してみたいと思います。
目次
晩婚化の原因1|結婚・出産を敬遠する
現在の日本の社会制度の中では、女性の社会進出と出産育児は、まだまだ両立しにくい状況にあります。このため、仕事に打ち込みたいと思う女性は、結婚や出産を敬遠し、晩婚化が進んでしまうのです。では、一体なぜそのような状況になってしまうのでしょうか?
キャリアアップを妨げる
男女雇用機会均等法が施行され、女性の社会進出は進みました。大学・専門学校に進学した後に就職する女性が増え、かつて結婚を意識する人が多かった25歳前後は、女性も男性同様仕事の充実、キャリアアップなどの時期と重なっているのです。仕事にやりがいを見出し、ある程度の地位を確立した女性は、結婚や出産でキャリアアップが妨げられることを避けたいと考え、自然と結婚を敬遠するようになってしまうのです。
キャリアの中断につながる
結婚だけならば、キャリアアップの時期と重なっても、踏み切れるかもしれません。しかし、結婚の先にある出産まで視野に入れたとき、出産は、キャリアの中断や放棄につながる場合が多く、なかなか結婚・出産に踏み切れないのです。
晩婚化の原因2|出産適齢期や婚期と晩婚化の関係
出産適齢期を考えたうえで、結婚を考える女性は非常に多いようです。出産適齢期が遅くなれば、晩婚化も進みますし、子供を産まない選択をした場合は、さらに遅くなり、未婚という結論を出すこともあるでしょう。
出産適齢期の変化
近年、初産の年齢の高齢化が進んでいます。初産の平均年齢は年々上昇しており、2011年には30歳を突破、その後も着実に上昇しています。出産適齢期といわれる時期も遅くなってきており、出産の時期を視野に入れて考えることが多い結婚の時期もおのずと遅くなってしまい、晩婚化が進んでいくようです。
子供を望まない
晩婚化は少子化という問題も引き起こしています。結婚する時期が遅くなっていくために少子化が進行する場合もありますが、最初から子供を持つことを望まない女性や夫婦も増えてきています。子供を持たない場合、必ずしも“結婚”のかたちをとる必要性がなくなるため、必然的に晩婚化が進んでしまうようです。
晩婚化の原因3|理想の相手に巡り合わない
結婚するためには、当然相手を見つけなければいけません。しかし、意思があっても、なかなか理想の相手に巡り合うことが出来ない場合も多いようです。
条件を満たす相手がいない
近年は、男性と女性が同じレベルで仕事ができる業種が増えたため、女性が社会的に自立できるようになりました。男女の給料に差をつけない会社も多くなり、社会的地位や収入面で優位に立つ女性も多く、女性が結婚相手に求めることや譲れない条件も厳しくなってくるようです。このため、なかなか希望する条件を満たす相手に巡り合うことが出来ず、結婚が遅くなることがあるようです。
晩婚のメリット
メリットを見つけることが難しいような“晩婚”ですが、考えようによってはメリットもあります。年齢を重ね、経験値を上げたことで、忍耐力がつき、長く仕事を続けてきたことで経済的余裕を持つことも出来ます。
出産に関しては厳しい部分もありますが、子供を望まない場合は、自分のタイミングで結婚することが出来ます。
夢を追いかけたり、仕事を続けてキャリアを積んだり、趣味を謳歌したり、未練のない選択をすることも出来るのです。
さいごに
晩婚化や未婚女性の増加は、結婚に魅力を感じなかったり、結婚の必要性を感じない女性が増えてきたことが最大の原因だと言われています。仕事に価値を見出し、社会的地位や満足のいく収入を得られるようになるとさらに結婚するタイミングを逸してしまいます。
必ずしも結婚というかたちが良い訳ではないのかもしれませんが、自分が結婚に求めるものは何なのかを考えたうえで、自分に合った結婚の時期を見つけ、行動に移していくことが必要なのではないでしょうか。