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男ばかりじゃない!オンナだってストーカーになるのです
ストーカー被害は、ネットの世界からも始まる
今年2月、あるストーカー女が逮捕されたニュースが、ネット上で話題になりました。その女性は、ネット動画に出ていた男性に一方的に恋をしてしまった人でした。
東海オンエアてつやに恋したストーカー女の裁判が行われた
「彼氏に会いに行くのは当然」
出典:ひまつぶし速報
この女性のようなタイプのストーカーは、「スター・ストーカー」と呼ばれています。多くの場合は相手との面識はなく、ストーカー側の一方的な気持ちから相手に対して極端な行動に及んでしまいます。ひと昔前までは俳優やタレントのような芸能人がスター・ストーカーの被害に遭っていました。しかし最近では、東海オンエアのメンバーのように、ネット上での人気者が、ストーカー被害に遭うことも多いようです。
また、2016年12月に「ストーカー規制法」が改正され、SNSやブログを使用した付きまといが規制対象に加えました。しかしながらSNSを介したストーカー、例えばツイッターやフェイスブックのコメントへの、執拗な書き込みの被害は後を絶ちません。
つまり現代社会では、面識が有るか無いか、身体に危険があるか(付きまとい等)に限らず、ストーカー犯罪に遭う率が高くなっているのです。
事実、女性ストーカーの7割が元カノだった…女性のきっかけは「怒り」から
女性がストーカーになってしまう場合、その多くは元カレに復讐を目的としているケースが多いそうです。
T.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚(あべ・やすたか)氏によりますと、女性ストーカーの7割が元カノであり、そのうち3割は不倫が原因だったのだとか。その発端は、彼女たちの思い込みだと言います。
出典:livedoor NEWS
このような女性は、男性に対して強い不信感を持っています。さらに男性にもう一度自分の方に振り向いて欲しくて、いかに自分が傷付いているのかをアピールしてきます。男性側も、不倫関係の清算や、自分から別れを切り出している手前、元カノに対して強いことが言えない部分があるようです。
元カレより怖いかも…オンナが女にストーカー行為をするとき
あまり表沙汰にはならないようですが、女性をストーカーする女性も存在します。女性特有のストーカータイプですが、その動機は同性に対しての憧れや嫉妬から始まります。
出典:ストーカー対策と撃退の対処
このような女性は、精神的に自立した大人であるとは言えません。まるで小さい女の子が、
「○○ちゃんと同じものが欲しい!」
「××ちゃんと私はいつでもいっしょ!」
と言って、喜んでいるのと同じことですね。ご紹介したサイトにもあるように、同性のストーカーには距離を保ち、きっぱりと「NO」の意思表示を表しておきましょう。
たかが…、では済まないストーカーの原因
根本的な問題は、子どもの頃の甘えにある
「ストーカーの心理学」の著者で、精神科医の福島章氏によりますと、全てのストーカーに共通するあるココロの問題を指摘しています。それは、
「未熟な心性をもったまま大人になった人間の心理が典型的に認められる」
ということ。「未熟な心性」とは、つまり「甘え」のことです。
子どもの頃、親に充分な愛情を与えられなかった人は、心の中に不満が残ったまま、心が大人になり切れていません。そのため、大人になって恋愛をした時にその不満を相手に解消してもらおうと依存してきます。また、愛情に飢えているため、見捨てられ不安も強く感じています。そうなると、他人との適切な人間関係の距離感が保てず、執拗に付きまとったり、相手を独占しようとしたりしてしまうのです。
人と触れ合う機会が減ってきている
ストーカーにもう一つのココロの問題点として、「他人の気持ちや立場を想像することができない」ことが挙げられます。その原因として、今の日本社会では、人との触れ合いが減ってきているため、私達が人間関係に不慣れになってきていることが考えられます。例えば、核家族化や少子化のように家族関係が昔に比べて大きく変化していったこと。そして、ゲームやインターネットの普及により、子ども達が一人でも遊べてしまう環境が増えていることが考えられます。
人と触れ合う機会が少ない環境で成長していった場合、人はどう成長していくのでしょう?本来なら人とのぶつかり合いを通して、相手にも感情があり、自分の思い通りにはならない現実に折り合いをつけることを学んでいきます。ましてや恋愛関係とは、相手の感情もあって成り立つこと。しかし、現実を受け入れられない場合は、他人をコントロールしようと、不適切な行動=ストーカー行為に走りやすいのです。
貴女も知っておいた方がいい!ストーカーになってしまう5つの心理的特徴
ここで「どんな人がストーカー気質なの?」と思った方、セルフチェックをしてみませんか?ストーカーの基準はいくつかありますが、代表的な5つの特徴をお話しします。
その1.怒り出すと止まらない
すぐにカッとなってしまう人は、感情のコントロールが難しい人です。相手が自分の欲求を満たしてくれないと知った途端、怒りとともに攻撃することで、その不満を解消しようとします。心理的に未熟で、大人になり切れない人だと言えるでしょう。
その2.他人への評価がコロコロ変わる
このような人は、良いか悪いかの二者択一でしか物事を判断しません。極端な考え方しかできず、人間関係が長続きしないのが特徴です。自分に自信がないので、他人の評価だけで自分を判断してしまいます。
ですから、好きな人にフラれてしまうと、自分のすべてを否定されてしまったと感じてしまいます。その結果、「大好きな彼」から「私を裏切った酷い男」となり、その腹いせに相手を徹底的に非難するような言動を取るのです。
その3.思い込みや妄想が激しい
思い込みも妄想も、自分の中で完結している分には問題ないかもしれません。例えば、知らない男性と毎朝同じ車両に乗っているだけで、「私、この人に愛されているかも!」と思っているだけなら、笑い話で済みそうです。
しかし、実際に毎朝駅で待ち伏せをしたり、高価なプレゼントを送りつけたりと行動に出てしまうと、ストーカーの危険大。相手が何度もその気がないと否定したり、周囲の人が説得しても現実を認められないのであれば、かなり問題があると言えます。
その4.初めて会った人にも、やたらと自分のことを話したがる
このような人は自己中心的で、常に自分に注目してもらいたいという欲求があります。いわゆる「自己チューな人物」で、他人の感情に関心がありません。また、人から無視されたり拒絶されたりすることが我慢できません。自分の存在が無視されたと感じた途端、激しい感情や攻撃性を持って反応してきます。
その5.わざと相手を試すような、カマをかける
これは、例えば男性の会社での立場を傷付けるようなコトをチラつかせて、暗に脅したりすることです。このような心理の裏には、「相手をコントロールしたい」「自分の存在を認められたい」「誰かに依存したい」といったことがあります。いわゆる「かまってちゃん」な人に多い心理です。
いかがでしたか?特に、「その4. 自分のことを話したがる人」と「その5. カマをかける」の2つに当てはまる人は、ストーカー予備軍の可能性が高いので、要注意です。
貴女がストーカーにならないために
まずは、客観的になることが大切 ~信頼できる人に相談する
自分で「やってはいなけい」と思っても、彼への不信感や失恋の悲しさに耐えられず、ストーカーをしてしまうこともあるかもしれませんね。もしも貴女が他人から「それはストーカー行為だ」と指摘されたら、それはある意味チャンスです。自分を客観視するためにも、信頼できる家族や友人、カウンセラーに相談してみましょう。一度冷静になれば、本来の自分を取り戻し、ストーカー犯罪から手を引くこともできるのです。
ベストセラーから学ぶ恋愛の教訓! ~私は他人の期待を満たすために生きているわけではない
ベストセラーとなった「嫌われる勇気」の著者である、岸見一郎氏の言葉に次のような言葉があります。
・私は他人の期待を満たすために生きているわけではない
そしてまた、
・他の人も私の期待を満たすために生きているわけではない
というものです。
貴女が好きになった人は、貴女の「愛されたい」という期待を満たすためだけの存在でしょうか?
好きな人のために、自分を相手の期待に合わせようと努力するのは、悪いことではありません。しかし、みなそれぞれの生き方があるので、それは尊重されなければなりません。例え貴女の「期待通りの結末」にならなかったとしても、それでも相手を責めてはならないのです。
もしも他人に全てを期待しながら生きていると、期待外れになった時「裏切られた!!」と感じて、相手へ怒りを爆発させてしまいます。その爆発は、付きまといやネット上での嫌がらせに始まり、最悪ストーカー犯罪へとつながっていってしまうのです。
「愛されたい!」だけの子どもっぽい恋愛はやめて、相手を信頼し、愛し続ける勇気を持つ大人の恋愛観を持つこと。ストーカーにならないための方法は、結局、精神的に大人になるしかないのです。
最後に
いかがでしたか?ストーカーは男女に関係無く成り得ますし、きっかけは些細なことから始まってしまいます。しかし本来、人間はストーカーではないハズ。いろいろな悪い条件の積み重ねの結果、小さなことが引き金となって、心がコントロールできなくなってしまうのです。
逆を言うと、自分自身をしっかりコントロールできる人は、ストーカーになるリスクは低いということ。あなたがストーカーの加害者にならないためには、まず自分の性格や心の状態を、よく理解しておくことが肝心でしょう。
最後にひとつ忠告です。知り合いや友達がストーカーだと知った時、「ストーカー行為を辞めさせてあげたい」と思う人もいるかもしれません。でも自分のしていることがストーカー行為だと、気が付いてない人が多いのが現実です。うかつにストーカー行為を辞めるよう説得すると、逆恨みされたり、自分まで何らかのトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。ストーカーの中には、精神的な疾患を抱えてしまっている人もいます。このような人は素人の私たちが説得しようとしても、話は通じません。下手にこちらから手を出すよりも、警察やカウンセラーなどの専門職の力を借りたほうが得策です。