
出産後、お母さんの体はいつ頃に正常化するのかご存知ですか?そもそも出産して約1週間程度は病院にいる状態なので、その頃の家事全般は必然的に旦那様にお願いするようになると思います。
「退院して家に帰ったら家事も育児も頑張らなくちゃ!」…そう思いきや、実はそう簡単にはいきません。
ママの体はしばらく思うように動かず、家事がまともにできるようになるのにはおよそ1か月以上かかり、またその期間を「産褥期(さんじょくき)」といいます。
それくらい出産というのは壮絶で、母体にとって大きな負担だったということですね。
では退院後の家事は一体どうしたらいいのでしょうか。いくら自分が子どもにつきっきりになっても家にはずっといるわけですし、お仕事までこなす旦那様に丸1か月お願いするなんてこと出来ませんよね。
今回はママが家事に参入できる時期と家事の負担を減らす8つのコツをご紹介します。
目次
産後の家事はいつ頃から何ができるようになるのか
「皿洗いはしていいの?」「洗濯は?」「掃除機は?」など、家事の種類は沢山あります。
どれが身体に負担になってどれが大丈夫なのかは人それぞれの場合もありますが、ここでは産後の週数別に「適した家事」をご紹介して行きたいと思います。
軽い家事を始められるのは産後2〜3週間目
産後2~3週間目でできるのは「軽い家事」ですが、病院を退院した頃の産後2週間目はできるだけ「入院中と同じ生活」をおくるのが理想です。布団は敷きっぱなしにし、赤ちゃんの授乳とオムツ替えだけに専念したいですね。
しかし、上のお子さんのお世話などでそうも言っていられない…と言う方も多いのではないでしょうか?
以下に産後2週間~できる「簡単な家事」の具体例をご紹介致します。
- 朝食作り(パンやおにぎりと言った簡単な物)
- お湯を沸かして飲み物を作る
- 洗濯物をたたむ
- 少量の食器を洗う
- 入浴後に軽く浴槽を洗う
- 床をモップ掛けする
産後2~3週間で行う家事のポイントは「長時間行わない」事です。炊事も「朝食のみ」であれば短時間で終われるので身体にも負担が少ないですよね!
また「洗濯物を干す」「掃除機の使用」「雑巾掛け」などは身体を曲げたりひねったりする動作が多く、産後すぐの身体には負担が大きいので避けましょう。
産後4週目は重い物を持つこと以外の家事ができる
産後4週目にもなると身体の調子も徐々に良くなり、赤ちゃんのお世話にも慣れて余裕が出てくる頃です。
「もう大丈夫!」と思って重い物を持つと、身体に力が入ってしまい「減りつつあった悪露が増える」「腹痛・めまい」と言った症状につながってしまう場合も。
「洗濯物が入ったカゴ」「米俵」「掃除機」「上のお子さん」などの重い物を持ち上げる事はしない様にしたいですね。
洗濯をする際は「洗濯物を数回に小分けして干場へ運ぶ」様にしたり、上のお子さんの抱っこは「床やソファに座った体勢で」行う様に工夫しましょう。
この時期の家事は「重い物を持たない!」と心に決めて、通常の家事を行う様にして下さい。
産後5週目はほとんどの家事ができる
産後5週目では赤ちゃんを産んだ病院にて「1ヶ月検診」を受けられるママが多い事と思います。
検診で悪露や子宮の状態を診察してもらい、医師からOKが出れば日常のほとんどの家事をする事ができる様になります。
- 毎日の炊事
- お風呂掃除
- 洗濯
- 掃除機掛け
- お弁当作り
などほとんどの家事をする事ができますが、「長時間立ちっぱなし」だと肩や腰に負担がかかってしまう事もあるので気を付けましょう。
特に炊事の際は「キッチンに2時間立ちっぱなし」なんて場合も!
そんな時は「おかずは昼間に作り置きする」「キッチンに椅子を置いて休憩しながら作る」様にしてみては?
いくら医師からの許可が出たと言っても、いきなり沢山の家事をこなすのは大変ですよね。体調が優れない時や帝王切開での傷口が痛む場合など、無理をせずに疲れたら休憩する事も大切ですよ。
産後8週目は通常の家事ができ、職場復帰も可
産後8週目では産褥期もほぼ終わり子宮も妊娠前の様に戻りますので、通常通りの家事が出来るようになります。
早い方では職場復帰されたり、生理が再開するママも!
「重い物を持つ」「上の子どもを抱き上げる」「雑巾掛けをする」「窓ふき」と言った身体を大きく動かす必要のある家事などもできる様になりますので、時間が空いた時には大掃除をしてみても良いかも知れませんね!
産後の家事負担を減らす8つのコツ
「家事の心配をせず、赤ちゃんのお世話に専念したい!」産後まもないママであれば誰しもが思う事ではないでしょうか?
でも実際は「上の子どものお世話」「旦那さんの食事」「溜まっていく洗濯物」「どんどん汚れていく部屋」が現実ですよね。
そんな忙しいけどやらなきゃいけない事が沢山あるママに、少しでも家事の負担を軽減する事のできるアイデアを集めてみました!
旦那さんがいる休日にまとめて行なう
「食材の買い出し」「洗濯」「掃除」などは旦那さんがお休みの日にまとめて行うと良いですよ。
赤ちゃんのお世話をしながらの家事って、想像以上に大変だし家事に集中できないからストレスだって溜まってしまう事もありますよね!
旦那さんがお休みであれば、赤ちゃんのお世話を任せてママはゆっくりと家事をする事ができますし、1人で食材の買い出しに行ったりすればリフレッシュにもつながりますよ!
「旦那さんのお休みの日はゆっくりさせてあげたい…」と思う優しい奥様もおられますが、「産褥期が終わるまで!」と割り切って旦那さんに可愛く頼ってみて下さいね!
優しい旦那さんなら1週間分の汚れをスッキリお掃除してくれるかも?
お惣菜やお弁当を活用する
特に産後2~3週目は炊事による長時間の立ちっぱなしは避けたい所です。
そんな時に便利なのがスーパーのお総菜やお弁当!どこのスーパーでもだいたい夕方4時頃になると割引シールが貼られ、2割や3割でお得に購入する事ができます。
「旦那さんの仕事帰り」に惣菜やお弁当を買ってきてもらえば、それだけママの炊事の負担が減るのでゆっくり過ごす事ができますよ!
ネットスーパーを利用する
「旦那さんの帰宅時間も遅い」「車を持っていない」などの理由でなかなか自由に外出できない場合はネットスーパーを利用してみては?
大手では「イオン」「イトーヨーカドー」「西友」などがネットスーパーをしています。どれも会員制でメンバー登録が必要ですが、「野菜やお肉」と言った食品を始め「洗剤・トイレットペーパー」「衣類・ベビー用品」などの日用品まで取り扱っています。
注文時に配達日時を選ぶ事が出来、支払いもクレジットカード・代引きなどを選択できます。
代金の合計金額によっては送料がかかりますが、500円程度なので気軽に利用する事が出来る所も嬉しいですね!
宅配デリバリーを利用する
「赤ちゃんのお世話で自分の食事すら作る余裕がない…」と言うママには宅配デリバリーがおすすめです!
「ピザ」「ハンバーガー」「中華」「和食」など、田舎でもデリバリーを行っている飲食店は結構多いですよ。
電話1本で宅配してくれるので「すぐ食べたい~」なんてワガママなママにぴったりではないでしょうか?
できれば出産前の時期から「お気に入りのデリバリー屋さん」を見つけておけば、産後急に必要になった時に便利ですよ。
優秀な家電機能を利用する
「赤ちゃんのためにも綺麗な空間で過ごさせてあげたい。でも産後でバタバタできない…」何てママはいませんか?
ペットと一緒に住んでいたり、上のお子さんが部屋を汚してしまうと赤ちゃんへの影響が気になってしまうものです。
そんな時は「ロボット掃除機」の使用をおすすめします!初期費用は掛かってしまいますが、金銭的に余裕のある方はぜひ導入をお考え下さい。
何もしなくてもロボットがゴミを感知して自動的に綺麗なお部屋を保ってくれますので、毎日のお掃除がとっても楽ちんに!
管理表を作る
「何でもきちんとしないと気が済まない!」「几帳面だ!」と言うママは「管理表」を作ってみましょう。
手書きでも構いませんので、「トイレ掃除」「掃除機」「モップ掛け」「玄関掃き」など項目別に欄を作り、掃除できた時は日付を書き入れる様にすれば目に見えて「いつどこを綺麗にした」と言う事が分かります。
表を作り「目に見える化」する事は「自分はよく頑張っている!」と言う自己肯定感を養う事につながり、今後の家事を意欲的に行う事ができる良いきっかけにもなり得ますよ。
また、表を作る時に色別して「旦那さんと分担」して家事を行う事で、ママの家事の負担を減らす事も可能です。
実家に頼る
実家が近くにある場合は、産褥期の間だけ甘えるのも良いでしょう。
実際に実家の親に頼ったママは、「産後8週目までは実家で暮らして赤ちゃんのお世話に専念した」「実家の母に自宅まで来てもらって家事・炊事を任せた」のどちらかのパターンが多く見られます。
産後は精神的にも浮き沈みがあるので、旦那さんの実家ではなくやはり自分が育ってきた家でのんびりゆっくり両親に甘えさせてもらうのがベストではないでしょうか?
産後ヘルパー・産後ドゥーラにお願いする
「近くに頼れる身内がいない…」と言うママは思い切ってヘルパーさんやドゥーラさんに家事を依頼してみては?
近年の核家族増加の傾向を受け、日本でも産後ヘルパー・ドゥーラ派遣会社が多くなってきています。
出産経験のある女性が「お手伝い」に来てくれる事は、産後のママの家事負担軽減のみではなく新生児のケアの仕方・上のお子さんとの関わり方においてもためになるアドバイスをもらえる事でしょう。
「見ず知らずの人を家に入れるのは不安…」と言う方のために面接制度やお試し期間を産前に実施している会社も多いですので、「ヘルパー・ドゥーラさんを依頼しようかな…」とお考えの方は早い段階から斡旋会社やヘルパーさんの決定をし、安心して出産を迎えたいですね。
産後に家事を行なう上での心構え
産後に家事を行う上で気を付けてもいらいたい事をお伝えさせて下さい。
いつも意識して!とは言いませんが、心の片隅に覚えていておいてもらえれば今後何かのお役に立てるのでは…と思います。
頑張りすぎないこと
何はともあれ、「頑張り過ぎない事」はとっても大切です!最近笑っていますか?
赤ちゃんのお世話も、旦那さんのフォローも、自分の事も…と何でも完璧にしなければ気が済まない!なんてママは、少し肩の力を抜いて下さい。
平気な様でもママの身体は出産によってかなり消耗しているものです。人によってはホルモンバランスの急激な変化によって産後うつや体調不良を引き起こしたりする場合も!
そんな時に「妊娠前と同じ様に」家事をこなそうとすると、どこかにボロが出てしまいますよ。
特に産後8週目までは「お世話になります」と言う気持ちで周りの力を借り、自分の身体・赤ちゃんのお世話に集中した方がベター。
家が少々汚くたって、夕ご飯がお総菜だって、死にはしません!身体がしっかりと回復をした後に、手伝ってくれたお礼にと周りに尽くしましょう!
上の子のお世話は多少手を抜いて大丈夫
赤ちゃんのお世話+上の子のお世話の大変さって、経験した事がないと分からないくらい壮絶なんですよね!
「身体が2つ欲しい!」とは、まさにこの事だと思います。
上のお子さんは「新しい赤ちゃん」の存在で精神的に不安定になりがち。「ママを取られる!」と思っちゃうんですよね。
その結果、赤ちゃん返りをしたりわざと悪さをしてママの気を引こうとしたり…と言った行動が見られる事が多いのですが、それにいちいち付き合っていたらママの身が持ちません!
ここは「上の子と赤ちゃんの関係が落ち着くまで」と割り切って、上のお子さんの育児に対して過剰に反応しない様に気を付けたいものです。
イヤイヤ期で何を言っても言う事を聞かない場合、上のお子さんの好きなおもちゃやお菓子などで気を引き、一旦「気を紛らわす」事も大切ですよ。
忙しい朝も栄養を考えてあれこれ作ってあげたくなりますが、しばらくの間は「野菜たっぷりの味噌汁とおにぎり」程度で簡単に作れるものにしてみたり「上手に手抜き」する術を生活して行きながらゆっくりと見つけて行って下さい。
ただ、「上のお子さんへの愛情表現」だけは何があっても絶対に手抜きしない事!
母性本能の関係で、出産後の女性は「大きな上のお子さん」より産まれたての「小さな赤ちゃん」の方を守ってあげたいと感じるようになっているものですが、上のお子さんだってまだまだ幼く母の愛を必要としています。
その事だけは常に忘れず、意識してあげて下さいね!
心配なことは医師に相談
その他にも「雪かきをしてもいい?」「どんな体勢で雑巾掛けをしたらいい?」など、少しでも疑問に思う事があれば出産した病院で相談してみる事です。
家事の事に限らず、「温泉に入ってもいい?」「旅行に行っても良い?」等の質問にも母体の回復状況を診て判断してくれるはずですよ!
さいごに
家事と言ってもその種類には様々なものがあります。全てを1人で完璧にこなそうとせず、周りの協力を素直に喜んで感謝のできるママであって欲しいと思います。