
待望の妊娠、幸せなマタニティーライフを送っている時期には予想もしなかった「産後のイライラ」。
これから出産する人も、現在まさに産後イライラ中の人も、イライラ時期がいつまで続くのか、気になるところですよね。
精神的なものですし、もちろん個人差はあります。原因によって解決する時期も違ってくるでしょう。
ホルモンバランスが原因の場合、ホルモンバランスの乱れが改善した時期。
閉鎖的な生活が続くことへのストレスの場合、赤ちゃんと外出できるようになったり、誰かの協力で一人の時間を持てたりするようになった時。
授乳間隔が短かったり、夜泣きがひどいなどの新生児の状況によるものの場合、赤ちゃんのリズムがある程度決まってくると改善したりもします。
ほとんどの要因が改善されてくるのが、産後3か月位であることから、一般的には2~3ヶ月、と言われていますが、原因によって大きく違ってくるので、マニュアル通りに進まないことにストレスを抱え、イライラ時期が延びてしまわないように気を付けなければなりません。
目次
どこにある?産後のイライラの原因
誰もが経験する産後のイライラ。動物の母親が出産後、子供を守るために気性が荒くなることにかけて“産後ガルガル期”などと言われるほど、出産後にイライラして他人に対して攻撃的になることがあります。出産した女性なら誰でも心当たりがあるこの症状の原因について検証したいと思います。
ホルモンバランスの変化
産後イライラの原因として一番にあげられるのが、ホルモンバランスの崩れです。
妊娠中は、赤ちゃんを育てるためにエストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンが多量に分泌されていますが、出産を機にそれらのホルモンが急激に減少し、その代わりに、母乳を作るプロラクチンや子宮を収縮させたりするオキシトシンというホルモンの分泌量が増えます。
この急激な変化に身体がついていかず、ホルモンバランスの乱れにつながり、出産後多くの女性が精神的に不安定な状況に陥るのです。
子どもとの関わり
赤ちゃんが原因
右も左もわからない新米ママのもとに、いきなり現れる意思疎通が全くできない新生児。誰もが戸惑い、文字通り、悪戦苦闘するでしょう。
一生懸命あやしているのに泣き止まない。頑張っても母乳が出なくてあげられない。せっかく作ったミルクを全く飲んでくれない。全然寝てくれない。など。
新生児・赤ちゃんが原因のイライラは、産後イライラの最も大きな原因と言えるでしょう。
上の子(兄弟)が原因
生まれてきた子供が第一子でない場合、新生児の扱いに慣れているから大丈夫かと思いきや、上の子供のいわゆる赤ちゃん返りやイヤイヤ期、反抗期、等々。兄弟がいることが原因でイライラを感じることも多いです。
上の子供との年齢差が近いとまだまだ手のかかる上の子供の世話や赤ちゃん返りと思われるわがままやこれまでにはなかったような甘えに悩まされます。
つい「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから!」と怒りたくなるような状況が増えるでしょう。
また、上の子供との年齢差がある場合は、上の子供の外せない予定や行事にいっぱいいっぱいになり、ストレスを感じることがあるでしょう。
夫が原因
赤ちゃん返りは、実は子供に限ったことではないのです。
男らしいと思っていた旦那が、イクメンを期待していた夫が、いきなり手のかかるかまってちゃんになって、ただでさえ忙しい産後のママたちをイライラさせることがあります。
特に、すべてのことを妻任せにしていた夫は特に、妻が急に自分のことをおろそかにするようになったと思い、必要以上に世話を焼かせたり、拗ねたりするようです。
親や親せき、友達が原因
赤ちゃんとはいえ、一人の人間、生まれ持った性格やタイプは様々です。それでも、子育ては常に何かと比べ、悩むものです。
特にそれが、他人から言われたことだと、余計に悩んだりイライラしたりします。
実の親の何気ない言葉や姑の「息子はこんなに○○ではなかった」など。親世代の忠告や意見は、様々なことに過敏になっている産後ママには厳しい一言になります。
また、同世代のいわゆるママ友の成長を比べるような発言も、ストレスやイライラの原因になるようです。
産後のイライラ、どうやったら解消できるの?
イライラする気持ちをどうやって静めればよいのでしょうか?イライラを最小限に留める方法やつらい産後のイライラ期を上手に乗り切る方法を探してみました。
子育て・家事に完璧を求めない
責任感が強くまじめなタイプのママは、子育てに関しても完璧を求めます。
いわゆるマニュアル本を参考に、「普通の子」との違いに悩み、いろいろなことを試し、結果が出ないとイライラしてしまいます。
子供の成長は様々です。本に書いてあるような完璧な子育てを目指さず「正解は無い」位な気持ちで、のんびりと赤ちゃんとの時間を楽しみながら成長を見守っていければ、イライラすることも少なくなるのではないでしょうか。
夫婦二人で協力して乗り切る
産後最もつらいのは、孤立・孤独感です。
新生児の時期は特に、母親にかかってくる負担が大きく、ストレスを感じることも多いと思います。
しかし、そんな時こそ、夫の協力を仰ぎ、二人で話し合いながら協力して乗り切らなくてはなりません。
話し合うことで、心の中にたまったストレスを吐き出すこともできるし、夫にも悩みを共有してもらうことが出来ます。
赤ちゃんがなついていない、夫に手伝わせると危なっかしい、時間がかかる、と、すべてを自分でやろうとしないことです。
夫のこともパパとして成長させていくような気持ちで、少しずつでも夫に手伝ってもらうことが、育児の負担を減らすことになり、イライラを減らします。結果、夫にも赤ちゃんにも良い影響を与えるのです。
一人の時間、友達といる時間を作る
赤ちゃんが生まれると、当然のことながら、赤ちゃん中心の生活を余儀なくされ、これまでの自分の生活ペースが一変します。
自分の時間は少なくなり、自分のペースで自由に外出することも難しくなります。そんな状況に耐えられず、イライラしたり落ち込んだりしてしまう新米ママが多いようです。
そんな時には、夫や親の協力を仰ぎ、少しの時間でも赤ちゃんを預けて一人で外出したり、友人に会う機会を作ったりしましょう。
一人で悩むことが少なくなるように、理解者や相談者を増やし、周りの環境を変えていくことが必要です。
ホルモンバランスを安定させる
産後の体の急激な変化によって崩れたホルモンバランスは、時間とともに整ってきますが、バランスの良い食事や適度な運動、ストレスを溜めない生活をすることで、より早く整うと言われています。
しかし、いつまでたっても精神的に不安定な状況が続いたり、頭痛など体の変調がひどい場合は、漢方やサプリメントを試したり、病院に相談したりすることも必要です。
産後のイライラは産後うつに?放っておくと怖い、産後うつの恐怖
産後うつに陥ると、気分が落ち込み、育児や家事など、出来るはずのことがうまく出来なくなります。
食欲がなくなったり眠れなくなったり、自分をダメな母親だとだと思い込んだり、体調不良に陥ることもあるようです。
“産後うつ”の症状と特徴、発症しやすい人のタイプ、その対処法についてまとめました。
産後うつの症状とは?
産後うつにはさまざまな症状がありますが、主なものとしては、不眠や慢性的な疲労感、育児や将来に対する不安感、喪失感、過食や拒食、判断力や集中力の低下などがあげられます。
赤ちゃんへの愛情が失われたり、わけもなく泣いてしまったり、念願のかわいい赤ちゃんを手にしたのにちっとも楽しくなく、辛く、苦しい状況に陥ります。胃が痛くなったり、下痢や便秘、脱毛などの身体的症状に見舞われることもあります。
産後うつになりやすい人とは?
産後うつには、真面目な人や完璧主義者、責任感の強い人に多いようです。
家事も育児も一人で抱え込み、完璧を目指す人。性格的にがんばりすぎてしまう人ほど、産後うつ症状が出る確率が高くなるようです。
すべての失敗を自分一人で抱え込み、自分を責めてしまい、他人に助けを求められないタイプの人が産後うつを経験することが多いようです。
産後うつになった時の対処法・治療法は?
産後うつかな?と思ったときは、まず周囲の人に助けを求めることが必要です。周囲の人に相談し、理解を得たうえで、出来る限りの休養をすること。
サプリメントや漢方薬を試したり、気分転換などをすることも効果的な場合があります。
それでも症状が改善されない時には、心療内科や精神科などの医療機関を受診することをおすすめします。産後うつは、とにかく早めの対処が効果的と言われていますので、一人
悩まず、悩みを相談する人を見つけることが必要です。
産後イライラするママへ。パパができるサポートとは
産後イライラするママのために、パパができるサポートにはどんなことがあるでしょうか。
イライラした気持ちを静めてあげたり、イライラさせないような状況を作ってあげたり、一番身近にいるパパだからこそできる助けについてまとめてみました。
ママだけの時間を作るサポートをする
少しの間も離れることが出来ない新生児の育児。思うように自分の事が出来なかったり、ほんの少しの外出さえも、気軽にできない状況にイライラを募らせる新米ママは多いはずです。
お風呂に入れた後や授乳後の短い時間でもよいので、赤ちゃんを手から離してあげて、「自分だけの時間」をプレゼントしてあげましょう。
可能ならば、赤ちゃんを預かって一人で外出させてあげるのも良いでしょう。
“一緒に”子育てをする
新生児の子育て中は、なかなか外出できないこともあり、孤立・孤独感からくる不安を感じることが多いものです。
子供が小さいうちは、ママにしかできない事が多いように思いますが、よく考えてみるとおっぱいをあげること以外は、パパにもできるはずです。
得意不得意はあるものの、ミルク作りや入浴、おむつ替えや寝かしつけなど、回数を重ねれば、パパの方が上手にできるようになることもあるかもしれません。
他にも、洗濯や皿洗い掃除など、育児以外の家事を役割分担して、二人で一緒に子育てをしているということをアピールし、新米ママの助けになってあげましょう。
ママのイライラに乗っからない
産後の何かとイライラする時期、やたらと怒ったり、感情的になるママは多いようです。
そんな時、パパまでもが同じように感情的になったり、イライラしてしまっては、元も子もありません。
パパには、冷静になってもらい、寛大な心でゆったり構えていて欲しいものです。
親身になって話を聞いてあげる
産後のイライラは、とにかく誰かに話を聞いてもらうだけで、大きく変わります。悩みを相談する相手が見つかるだけで違うものです。
一人で頑張りすぎているママの悩みを親身になって聞いてあげること、一緒に解決策を探してみること、そんな優しさを見せることが、イライラする心を落ち着かせることにつながります。
義両親を近づけすぎない
孫の誕生を喜ぶ親の気持ちは分かりますが、神経が過敏になっている産後のママにとって、義両親の存在や言葉が必要以上に胸に刺さることはよくあることです。
育児につかれている新米ママが、義母や義父と関わることをつらそうにしていると感じたときは、少し距離を置くことを提案してあげる優しさも必要です。
男性にもあるなんて!男性産後うつの実態とは
一般的に女性特有の産後の病とされている産後うつですが、近年、男性にも同じ症状が見られることが明らかになりました。
そのメカニズムは、まだはっきりとは分かっていませんが、産後うつに悩むパパは増加傾向にあるようです。
特に若いパパに多く見られるとも言われています。男性産後うつの原因と予防法についてまとめてみました。
夫が産後うつになってしまう原因は?
突然パパになってしまい責任を強く感じる
男性は女性と違い、妊娠期間のような親になる準備期間が無いと言えます。
このため、突然「父親」になる感覚があり、子育ても仕事も頑張らなければと必要以上に責任を感じたり、プレッシャーを感じたりしてうつ症状になってしまうと言われています。
特に若いパパの場合、そのプレッシャーを強く感じる傾向にあるようです。
疎外感
これまでの妻と二人の生活が一変し、当然のことながら、赤ちゃん中心の生活になります。
以前よりも妻との関りが減ることに疎外感を感じるパパもいるようです。
また、身の回りの世話の多くを妻に頼んでいた夫は、自分でやることが増え、放っておかれていると感じ、疎外感・孤立感を募らせるようです。
夫を産後うつにさせないためには?
父親になり、これまで以上に責任が重くなったと感じながら、何をしてよいかわからない新米パパ。
どうやって妻や子供の力になれば良いかわからず、うつ症状が進行する場合が多いようです。
頼られたいけれど、自分から何をしたら良いか分からないというパパが多いため、新しい生活のスタートにうまくパパを巻き込んで、育児に参加させる機会を作り、「父親」になれる瞬間を与えてあげることが、夫の産後うつの予防になるのではないでしょうか。
さいごに
出産したことのある女性ならば誰もが一度は経験する産後のイライラ。う
まく解決することが出来ないと、状況が悪化し、つらい産後のうつ症状を発症してしまう場合もあります。
かわいい赤ちゃんを授かり、幸せいっぱいなはずなのに、ちっとも嬉しくない。なんて、悲しすぎます。
まずは、原因がどこにあるのかを見つけ、適切な対処法で、一日でも早く症状を改善させましょう!
そして、夫婦揃って笑顔いっぱいの幸せな育児を楽しんでいきましょうね。