
離婚したいと言いながら、子どもを理由に踏みとどまっていませんか?あなたが今我慢していることは、本当に子どものためになっているでしょうか。知らず知らずのうちに、自分本位の言い訳になってはいないか、一度立ち止まって、じっくり考えてみることも時には必要です。
今回は、離婚が子どもに与える影響と、離婚後に後悔をしないように考えるべきことついてお話ししていきます。
目次
離婚したいのに子どものことを考えるとできない理由
経済的な不安がある
シングルマザーになった後、子供を抱えて生活できるかは非常に重要なポイントです。
すでにお仕事をされている方、かつ、仕事で生活できる程度の収入がある方であれば問題はありませんが、特に小さなお子様がいる場合は、専業主婦、または働いていてもパート程度という方が多く、離婚後の経済的不安を理由に離婚したいけどできないという方が多いです。
父親がいないことへの罪悪感
離婚をすることで子供から父親を奪ってしまう、片親にしてしまう罪悪感から離婚を踏みとどまっている方も多いです。父親が参加するイベントや行事なども、肩身の狭い思いをさせてしまうのではないかと懸念してしまいます。
また、子供が父親が大好きな場合、離してしまうのはかわいそうという考えもあります。
世間体が良くない
離婚をすると苗字が変わったり、引越しをしなければなくなったり、お受験校であれば両親そろっていないと不利になるなど、様々な世間体の面から離婚を踏みとどまる方も多いようです。
小学生であれば苗字が変わる理由もある程度理解していますので、学校で子供がいじめられないか、からかわれてしまわないかなども不安要素となります。
離婚が子どもに与える影響とは
離婚をすることで、子どもにはどんな影響があるのでしょうか?
精神的に不安定になる
父親がいなくなり、いつもの生活から変わることで子供の精神状態が不安定になります。まだ離婚が理解できない子どもであれば「パパはいつ帰ってくるの?」などと疑問に思う事でしょう。
また、仕事をするようになると今までよりもぐっとコミュニケーションする機会も減り、寂しい思いをしてしまう場合もあります。
どんなに小さなお子さんでも、家庭環境の急な変化に必ず戸惑いがあります。体調、態度など、お子さんの様子を注意深く観察しておく必要があります。
人と比べて不安・不満を抱く
ある程度年齢が大きくなってくると友達には父親がいるのに自分には父親がいない、と不安や不満を抱くようになります。
嘘をついてしまうと、子どもは余計に傷ついてしまいますので、年齢に合わせた言葉を選んで嘘はつかずにしっかりと説明をしましょう。
見放される不安を抱き心を閉ざす
父親が自分から離れていってしまったことで、今度は母親も離れてしまうのではないかという不安を抱くようになります。
すると、嫌われないように…と自分の気持ちを隠す様になったり、心を閉ざすようになってしまいます。
離婚を我慢することが与える影響とは
離婚をすることで子供に与えてしまう影響をお伝えしてきましたが、今度は離婚を我慢することで与える影響をご紹介します。
心身共に壊れてしまう
”離婚したい”と”離婚できない”の狭間に居ることによるストレスによって、心も体も壊れてしまいます。
あなたが倒れてしまっては、子どもたちも共倒れするしかありません。
父親(夫)へのイライラで子供に当たってしまう
夫婦関係がうまくいっていないイライラがつのり、一緒に居る時間の長い子供に当たってしまうことがあります。
ちょっとしたことで怒鳴ってしまったり、冷たくしてしまったり…そんなイライラを子どもはしっかりと感じ取ります。常にイライラしているお母さんをみて、子どもたちはどう思うでしょうか?
帰りたい家でなくなってしまう
人が怒っている姿や喧嘩している姿は、子どもに限らず誰も見たいものではありません。
夫婦関係が悪く、いつも喧嘩している、お母さんがイライラしてる、そんな家庭だと子供は家に帰りたくなくなってしまいます。中高生くらいの子どもですと、夜遊び、外泊を繰り返すようになるリスクがあります。
離婚する前に子どもにできること
子どもには離婚をきちんと説明する
子供の年齢に関係なく、離婚をするということ、そして父親と別々で暮らすということをしっかりと説明しましょう。もちろん、年齢に合った言葉選びが大切になってきますが、「お父さんがいないのは今だけ」「仕事に行っているだけ」というような、短期的な解決にしかならない嘘は後々子どもに悪影響を及ぼします。
嘘はつかずに説明しましょう。
離婚後の生活基盤を作り始める
稼ぎがない、または少ないのであれば仕事を始める、引っ越す予定ならば引っ越し先を見つけるなど、離婚後の生活基盤を離婚前から準備しておきましょう。
特に子どもが小さい場合には、保育園なども探さなければなりません。離婚後に母子で路頭に迷うことのないよう、しっかりと準備を進める必要があります。
愛していると伝える
父親がいなくなるということで、子どもは自分は父親に愛されていないのだろうか、と不安になります。父親は変わらず愛していると伝えることも大切ですが、何よりそばにいるあなたが子どもに愛情を伝えてください。
仕事が始まると子どもと過ごす時間も短くなってしまいますが、一緒に居る時間はめいいっぱい子どもに愛情を伝える時間にしましょう。一緒に遊ぶ、一緒にご飯を食べる、一緒にお風呂に入る、ぎゅっと抱きしめる。
そんな時間が子供の不安を拭ってくれます。
父親(夫)の悪口を言わない
離婚の原因が夫にあったとしても、子どもに父親(夫)の悪口を言ってはいけません。
どんなに悪い夫でも、子どもにとっては父親に変わりはないのです。そんな父親の悪口を母親が言っていたら子どもはどう思うでしょうか?
どうして離婚をしたのか、それは子供が大人になってからでも十分です。
離婚後の子どもについて考えるべきこと
子どもの親権
子どもの親権は、ほとんどの場合母親がもつことになります。
親権争いになった場合は、子どもの親権を得るために、子どもの生活環境を整えましょう。生活できる仕事があるか、住む場所はあるか、預け先はあるかなど、離婚しても子供と共に生活できる環境があれば親権を得ることが出来ます。
ただし、14歳以上の子供の場合には、親権は子供が選ぶことが出来るので、親子でよく話し合う必要があります。
子どもの養育費
子どもの養育費は、子どもを育てる親が生活を共にしない親にもらうお金です。養育費は子供が受ける権利ですので親権をもち、子どもを育てる場合にはしっかりと受け取りましょう。養育費は、国が定めた算定表というものから決められることが多いですが、必ず算定表に従わなければならない訳ではなく、教育費や医療費でお金がかかる場合は必要な額で取り決めをすることもできます。
調停離婚で離婚した場合は、養育費の取り決めも公的な書類になりますが、協議離婚の場合は万が一養育費の支払いが滞った時に強制執行ができるように公正証書を作っておきましょう。
子どもとの面会
子どもと離れて暮らす親との面会は、子どもの権利、そして離れて暮らす親の権利です。暴力や違法薬物の使用、ギャンブル依存症など、子どもへ悪影響な親を除き、面会を拒否することはできません。
面会の時間、日程などは、離婚前に相談し、養育費と同じように公正証書で明確な取り決めとしておきましょう。
子供の苗字
離婚後、子どもの苗字を父親と同じ苗字か母親の旧姓のどちらかを選ぶことが出来ます。
子どもの年齢にもよりますが、子どもが自分の苗字を認識している場合はよく相談し、どちらにするか決めましょう。
母親は旧姓、子どもは父親の苗字のまま、という選択もできますが、親子として暮らしていくうえでは不便だったり、世間の目などもありますので、どちらかで統一するのが良いでしょう。
一人で悩まず、第三者に相談しよう
離婚をした方がいいのか、しない方がいいのか、悩んだときは一人で悩まずに第三者に相談するというのも一つの手です。
離婚の相談先をご紹介します。
両親に相談する
ご自分のご両親に相談をしてみましょう。母親とは違った目線での意見をもらえます。
ただし、家族だということでどうしても考えが偏ってしまう場合もありますので、一つの意見として参考にする程度がいいでしょう。
友人に相談する
離婚問題となるとなかなか相談出来る人がいないかもしれませんが、同じ境遇の友人がいれば相談することでよいアドバイスを得ることが出来るかもしれません。
また、友人の離婚話を聞くことで、離婚ということを客観的に見ることもできます。
弁護士に相談する
離婚や親権についての法律相談が出来ます。特に離婚や親権について夫婦間でもめている場合には、よいアドバイスが受けられます。
ただし、相談は1時間5000円程度から、依頼となりと数十万円の弁護料が必要となります。
法テラスに相談する
公的機関であり、無料で法律相談が出来ます。
離婚するために必要なこと、離婚後の流れや手続き等も聞くことが出来ますので、不安や質問はこちらで聞くのもおすすめです。
離婚カウンセラーに相談する
離婚カウンセリングでは、離婚相談、関係修復のアドバイスを受けられます。
離婚をするだけにこだわらず、離婚をせずにどうやってうまうやっていくかなども相談できます。
さいごに
子どもの為に離婚しない、という選択は一見子どもを思っているようにみえますが、その選択が逆に子どもを苦しめてしまう場合もあります。
離婚は子どもに大きな影響を与えます。本当に離婚を我慢すべきなのか、逆に、本当に離婚していいのか、じっくりと時間をかけて考える必要があります。
また、離婚を決めたのであれば、全力で子どもを守り、育てていく覚悟も必要です。
離婚後のことも考えながら、責任をもって考えましょう。