
内臓脂肪型肥満とは、一体どんな肥満のタイプのことなのでしょうか。
今回は、内臓型肥満の特徴と、効果的な落とし方についてご紹介いたします。
目次
内臓脂肪型肥満とは
肥満とは身体に余分な脂肪分がつきすぎてしまっている状態で、「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」の2つに分けられます。
「内臓脂肪型肥満」とは身体の中の臓器である「内臓」周辺に脂肪が蓄積され、目には見えないところに脂肪がつくので発見することが難しく、また放置してしまいやすいという特徴が。
また内臓周辺には適度な「空洞」が存在しており、脂肪分を溜めこみやすい環境が整っていることから「内臓脂肪はつきやすい」といわれています。
そんな「溜まりやすい」内臓脂肪ですが、内臓はもともと代謝が活発な臓器であるため「基礎代謝を上げる」「食生活の改善」などによって脂肪分を落としやすいという特徴も合わせ持っていますよ。
内臓脂肪型肥満は健康に良くない?
「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」に別れている肥満のタイプ、実は内臓型肥満の方が重篤な病気を発生させやすい「非常に危険な」肥満タイプなんです!
「お腹に肉がつく」「太ももが太くなる」といった外見的に見て分かる「皮下脂肪型肥満」は、体型の崩れや衣類に制限がかかってしまうというデメリットが発生してきますよね。
しかし、内臓脂肪型肥満は「高血圧症」「糖尿病」「動脈硬化」といった重篤な生活習慣病を引き起こすリスクが高いとして知られています。
見た目で脂肪の有無を判断できないという点が「内臓脂肪を放置してしまいやすい」ということにつながっており、その結果、取り返しのつかない病気を引き起こしてしまう…なんてケースも多く見られます。
「自分は痩せているから大丈夫!」と思わず、まずは内臓脂肪の有無をしっかりと調べることから始めてみましょう。
内臓脂肪型肥満の判定方法
様々な病気を引き起こしてしまうリスクの高い内臓脂肪型肥満タイプですが、自分で簡単に調べる方法はないのでしょうか?
ここでは「今すぐできる」内臓脂肪の判定方法をご紹介いたします。
体脂肪率ではわからない
体脂肪率というのは内臓周辺についている脂肪「内臓脂肪」+筋肉と皮膚の間についている「皮下脂肪」を合わせた数値です。
体脂肪率を測ってみることは、自分がどれだけ脂肪を蓄えているかのひとつのめどにはなっても「内臓脂肪の有無」を正確に知ることは難しいでしょう。
実際に「皮下脂肪はついていないが、内臓脂肪が溜まっている」ことによって体脂肪率が高いというケースやその逆もありますよ。
ウエストサイズで判定する
そこで内臓脂肪がついているのかどうかを簡単に知るために「ウエストサイズ」を測ることが有効です。
内臓脂肪が蓄積してくると、多くの場合腹部が「ぽこ」っと出てくるものです。
男性ではウエスト85cm以上、女性は90cm以上あれば内臓脂肪がついている可能性が高いといえますよ。
またこの数値は「メタボリックシンドローム」の診断基準としても定められています。
お腹をつまんで確かめる
まず、立った状態でおへその横の脂肪を縦につまんでみてください。
その厚みが2cm以上であれば皮下脂肪型肥満の可能性がありますが「お腹の脂肪がつまめない」くらいにお腹がぱんぱんに張ってしまっているのなら、内臓脂肪型肥満である場合が多いですよ。
正確に知りたいならCTスキャンを取る
上記でご紹介させていただいた自己判断方法などにより「自分は内臓脂肪型肥満かも…」と思ったら、できるだけ早く病院に行きましょう。
というのも、内臓脂肪の正確な判断は「CTスキャン」をしなければ分からないからです。
総合病院などでだいたい1万円前後から受けることのできるCTスキャン。内臓脂肪の正確なレベルを知りたいという方はぜひ利用してみられては。
内臓脂肪型肥満になってしまう原因
内臓脂肪はどういった食生活や生活習慣によって蓄積されていくのでしょうか?
ここでは分かりやすく各項目に分けて、内臓脂肪型肥満になってしまう原因をご紹介いたします。
内臓脂肪がつきやすい食事
- 高カロリーな食事を摂りがちだ
- 暴飲暴食をする
- 揚げ物が好き
- お酒をたくさん飲む
内臓脂肪は主に「カロリーの摂りすぎ」によって溜まっていきます。
一般的に成人女性の1日の摂取カロリーの目安が1800kcalといわれていますが、1日に3000kcalや4000kcalも摂取していたのでは、カロリー消費が追い付かず余ったカロリーは脂肪として「身体に蓄積」していくことに…。
「摂取カロリーと消費カロリーの法則」で、摂取カロリーよりも消費カロリーの方が上回れば「体内の脂肪分が消費」される状態です。
内臓脂肪がつくのを防ぐなら「摂取カロリーが消費カロリーを越えないように」意識して調節していくことが効果的です。
また、お酒をたくさん飲む方も内臓脂肪を蓄積させやすいということを覚えておいてください。
糖質が多いお酒を飲むことで、体内に「コルチゾール」という内臓脂肪を増加させる働きのあるホルモンを分泌させてしまうためです。
どうしてもお酒が飲みたいのであれば、できるだけ糖質の少ないお酒を飲んだり糖質オフのものを選ぶようにしたいですね。
内臓脂肪がつきやすい生活習慣
- 運動をほとんどしない
- タバコを吸う
- 夜遅くに食べる習慣がある
- 不規則な生活リズム
運動をほとんど行わない人は「消費カロリーが少ない」という特徴があります。
どれだけ食べ物に気を付けて摂取カロリーを抑えたとしても、そもそもの消費するカロリーがなければ脂肪分は溜まっていく一方。
加齢に伴う「基礎代謝の衰え」はそのまま消費カロリーの減少にもつながっていきますので、適度な運動をして新陳代謝を活発にしたり血行を良くしたりするなど消費カロリーを増やす努力が必要です。
またアルコールの中にある糖分の摂取によって増える「コルチゾール」は、実は喫煙することによっても発生することが確認されているので、タバコも内臓脂肪型肥満の原因のひとつといっても良いでしょう。
内臓脂肪型肥満のダイエット方法
内臓脂肪は「溜まりやすく減らしやすい」脂肪でしたよね。
ここでは内臓脂肪を効率よく減らしていけるダイエット方法についてご紹介いたします。
まずは食生活を整える
内臓脂肪の原因になっている食生活を覚えていますか?
- 脂っこい食べ物
- 食べ過ぎ
- 糖分の摂りすぎ
- 飲酒
などが挙げられましたよね?
ということは、これらの食事をできるだけ減らすことが内臓脂肪型肥満を改善させるためにできる第一歩といえます。
「1日3食の規則正しい食生活」「夕食は就寝3時間前までに済ませる」といった基本的な食生活改善の他にも、「食べる順番を考える」ダイエット方法も手軽に始めることができるおすすめのダイエット方法です。
詳しい内臓脂肪の減らし方についてはこちらをご覧ください。
適度な運動を取り入れる
効率よく内臓脂肪を減らしたいのであれば、食事の見直しと共に行っていただきたいのが「有酸素運動」になります。
有酸素運動とは酸素を身体の中に取り込むことで、脂肪分を燃焼させるというダイエット方法。健康に良いだけではなく、ストレスの緩和やお肌の調子を整えるなど多方面での作用が確認されています。
有酸素運動の他にも、日々の生活の中で賢く「動き」を取り入れるだけで内臓脂肪の燃焼を促進させてくれることも。
「できるだけ階段を使う」「自転車通勤にする」など、日常生活のなかで続けてできそうなことを探してみてくださいね。
さいごに
内臓脂肪はつきやすいが減らしやすい脂肪です。日々の食生活や生活習慣をぜひこの機会に振り返ってみてはいかがでしょうか。