
内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満は、見た目から大きな違いがあるってご存知ですか?
今回は、2つのタイプの見分け方と、タイプ別の正しいダイエット方法をご紹介いたします。
目次
内臓脂肪と皮下脂肪の違いって?
内臓脂肪と皮下脂肪、どちらも脂肪であることに変わりはありませんが、性質や付着する場所で大きく違いがあります。2つの脂肪の主な違いについて調べてみました。
内臓脂肪とは
内臓脂肪は、体の奥の内臓周りや腸など、外から見ることのできない部分につく脂肪です。内臓を保護するクッション、非常時の栄養源として蓄えられます。目で見えないので自分で調べることはできませんから、その量を知りたい場合は、CTスキャンなどで調べることになります。ホルモンの関係で主に男性につきやすく、「太鼓腹」などの特徴があります。生活習慣の影響を受けやすい脂肪で、付きやすく燃焼しやすいので落ちやすい脂肪と言えます。
皮下脂肪とは
皮下脂肪は、皮膚のすぐ内側につく脂肪で、手でつまめる脂肪です。本来は、暑さや寒さから体を守るなどの役割があります。お腹周りの脂肪のように徐々に蓄積されていく脂肪で、主に女性につきやすいといわれています。「洋ナシ型」「下半身太り」などの特徴があります。分解速度は遅く、減らしにくい脂肪と言えます。
内臓脂肪と皮下脂肪の見分け方は?
内臓脂肪なのか皮下脂肪のかしっかり見分けて、効率的なダイエットをするためにも、きちんとした見分け方を知っておく必要があります。自分で出来る2つの脂肪の見分け方をお教えします。
真っすぐに立って、お腹に力を入れます。力を入れたままでお腹のお肉をつかみます。この時つかめたお肉が「皮下脂肪」だと言えます。ぽっこりお腹なのに皮膚の薄皮しかつかめず、また、お肉をつかんだ状態でもお腹がポッコリとしているなら、そのぽっこりは「内臓脂肪」ということになります。
「仰向けになった時に、お腹が引っ込めば“皮下脂肪”、仰向けになってもお腹の高さがあまり変わらなかったら“内臓脂肪”」という見分け方もあるようですが、腹筋の筋肉が足りなかったり衰えていたりすることで、内臓を正しい位置に留めていることが出来ないために、おなかがポッコリしてしまう場合もあるので、この見分け方は、正確ではないとも言われています。
内臓脂肪と皮下脂肪、落ちやすいのはどっち?
内臓脂肪と皮下脂肪どちらが落ちやすいかと言えば、断然内臓脂肪です。
内臓脂肪も皮下脂肪も、基本的には日々の食事や運動量など生活習慣が大きく影響していると言われていますが、比較的すぐに影響を受けやすいのは内臓脂肪です。内臓脂肪は、生活習慣を少し改善すれば簡単に落とすことが出来ると言われていますが、皮下脂肪は、なかなか使う機会がないので、減らすのに苦労すると言われています。
よく、2つの脂肪を預金に見立て、内臓脂肪は「普通預金」皮下脂肪は「定期預金」という言い方をするのもそのような理由からです。
内臓脂肪、皮下脂肪の正しいダイエット方法は?
このように、同じ脂肪でも全くタイプの違う内臓脂肪と皮下脂肪。これらを効率的に減らしていくためには、それぞれの脂肪に合った正しいダイエット法を実践していく必要があります。内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満のダイエット法の違いについて調べてみました。
内臓脂肪型肥満
①運動
運動は筋肉トレーニングのような無酸素運動ではなく、有酸素運動を日々の生活の中に取り入れましょう。有酸素運動を続けると、はじめは、血液中の脂肪がエネルギーとして使われますが、血液中の脂肪が不足すると、内臓についた脂肪をエネルギーとして消費するようになるのです。このため、有酸素運動を長めに行うことで内臓脂肪を燃やすことができるのです。主な有酸素運動には以下のようなものがあります。
〈主に外で行う〉
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- サイクリング など
〈主に自宅で行う〉
- 縄跳び
- ヨガ
- ストレッチ
- 踏み台昇降 など
②食事
まず、基本としては「1日3食」です。「痩せたいならば食べる回数を減らせばいい」と、食事の回数を減らすことは、カラダを飢餓状態に追い込み、次の食事で普段以上にエネルギーを溜め込もうとして余計なカロリーを蓄えてしまいます。ですから、食事の回数は減らさないようにしましょう。
食事面では、油分、脂肪、糖分の取りすぎは厳禁です。油を減らすことで、内臓脂肪を落すことができるようになります。また、たんぱく質は、動物性たんぱく質ではなく、食物性たんぱく質を取るようにしましょう。植物性たんぱく質ならば身体の中に余計な脂肪を溜め込まずにすみます。肉の変わりに低カロリー食材である海草や、キノコ、こんにゃくなどを取り入れるのも良いでしょう。
皮下脂肪型肥満
①運動
皮下脂肪を燃焼させるためには、内臓脂肪同様、有酸素運動を行いながら、筋トレなどの無酸素運動を組み合わせて行うと、より効果的だと言われています。筋トレは筋肉をつけるトレーニングなので、脂肪燃焼をさせているわけではありませんが、筋トレをすると成長ホルモンが分泌され、脂肪を分解して、燃焼しやすい状態にしてくれる訳です。この燃焼しやすい状態の時に有酸素運動をすると、程よい筋肉がつくようになり、筋肉にならなかった脂肪が燃焼をしていきます。筋トレだけをしていると、筋肉がつきすぎてしまう場合もあるので、有酸素運動も合わせながら皮下脂肪を減らしていきましょう。筋トレをして、筋肉を増やしていけば、基礎代謝をあげることが出来、自然に、燃焼できる脂肪の量を増やすことが出来ます。主な筋トレ(無酸素運動)には以下のようなものがあります。
- スクワット
- 腹筋運動(クランチ)
- プランク(フロントブリッジ)
- 下腹部の腹筋(レッグレイズ)
②食事
脂肪の減り方は、はじめに内臓脂肪が減り、次に皮下脂肪が減る、という順序になります。ですから、食事制限だけで皮下脂肪を減らすのは難しいと思った方がよさそうです。無理な食事制限や偏った食事方法は、内臓脂肪を減らす邪魔にもなり兼ねないからです。栄養バランスに注意を払いながら、無理のない範囲で食事を減らす必要があります。
③マッサージなど
皮下脂肪は。皮膚のすぐ下にあるため、内臓脂肪と違って外部からの刺激を加えやすい脂肪でもあります。マッサージをしたりして血行の促進を行うことで、運動による脂肪燃焼効果を高めることも出来るようです。また、力を入れて、脂肪だけを柔らかくするように揉み出す揉み出しマッサージも効果があります。ただ、皮下脂肪は内臓脂肪に比べて、分解に時間のかかる性質の脂肪なので、揉み出すことで脂肪を分解して体の外に出していくには長時間かかることを覚悟しましょう。
さいごに
皮下脂肪と内臓脂肪はどちらも、日常生活の食事内容や生活習慣、運動量の違いによって
付いてしまう脂肪となっていますが、比較的に生活習慣で付きやすいのは「内臓脂肪」となっています。脂肪を落とす際も、内臓脂肪→皮下脂肪の順となっている訳で、まずは「内臓脂肪」に注目し、着実に減らしていくことで、理想の体型を目指しましょう!