
足や腕は細いのに、なぜかお腹だけがぽっこり・・。
もしかしてそれ、内臓脂肪が原因かもしれません。今回は、内臓脂肪が増える原因と対策についてご紹介いたします。
目次
内臓脂肪って?どこにつくの?
内臓脂肪とは?
ダイエットの大敵「脂肪」。よく耳にするのは「皮下脂肪」ですが、最近注目されているのが「内臓脂肪」です。内臓脂肪は、近年、太っていることの例えとしてよく使われる「メタボリックシンドローム(メタボ)」と大きく関係しています。「メタボ」は、別名「内臓脂肪症候群」とも呼ばれ、内臓脂肪の蓄積によって、高血圧や糖尿病、高脂血症など複数の生活習慣病が重なっている状態のことを示しています。
内臓脂肪はどこにつく?
内臓脂肪は、内臓のまわりについているお腹の内側の脂肪のことですが、お腹の内側といっても、内側に均等にすべての内臓を覆うように付くわけではありません。主に小腸を包んでいる腸間膜という腸を固定する膜に蓄積するのです。腸間膜は、過食や運動不足によって余分なエネルギーが生じた際に、体内で合成される中性脂肪を蓄えやすい場所で、この腸間膜に蓄えられた脂肪を内臓脂肪と呼ぶのです。
内臓脂肪が増える原因とは
内臓脂肪は、付きやすい脂肪ですが、落としやすい脂肪とも言われています。では具体的に内臓脂肪が増える原因にはどんなものがあるのでしょうか?
食生活の乱れ
現代の食生活は、エネルギーの過剰摂取に陥りやすいと言われています。また、バランスを意識しないと偏った食事内容にもなりやすいです。「高カロリーの食事と偏った栄養」という食生活の乱れは、余分な脂肪を体の中に溜め込んでしまう大きな原因になるのです。特に注意したいのが
①アルコールの過剰摂取
飲酒そのもののカロリーだけでなく、飲酒による食欲増進で食べ過ぎることがあったり、おつまみとして食べるものに高カロリーなものが多いので、脂肪を溜め込みやすいと言われています。
②早食い
ゆっくりと食事を摂ること、よく噛んで食べることは、ダイエットには欠かせない対策の一つです。早食いは、満腹感が得られるのが遅くなるので、食べ過ぎてしまったり、血糖値が上がりやすいので、肥満になりやすいと言われています。
③食事時間
代謝の良い時間に食べよう!
内臓脂肪を増やさないためには、代謝の良い時間帯に食べて、代謝の悪い時間帯にはなるべく飲食をしないことが必要です。代謝がピークの15時頃に消化活動が行われるように心がけましょう。通常食事をしてから食べ物が消化されるまでには4時間くらいかかると言われています。このため、12時~13時の間に食事をすると代謝がピークの15時に最も消化活動が盛んにおこなわれるということになります。逆に22時頃~深夜2時位までは、代謝が停止すると言われているので、食べるのを控えた方が良さそうです。
不規則な食事時間に気を付けよう!
食事時間を不規則にすることで、食事と食事の間隔があき、身体は飢餓状態に陥って「いつ食べられるのか分からない」と感じて脂肪を蓄えようとします。この為、食事時間を不規則にすることは内臓脂肪が溜まる原因にもなるのです。
④運動不足
運動不足が続くと体を動かさないことでエネルギーを消費しないばかりか、基礎代謝を増やすことが出来る筋肉までも落ちていくので、エネルギーが消費されにくい状態になってしまい、内臓脂肪が蓄積されていきます。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動を行うなどして、運動不足を解消しましょう。
⑤年齢による基礎代謝の減少
中高年になると、筋肉量が減っていくため、身体が必要とするエネルギーも減っていきます。体重は変わっていなくても、筋肉量が減り、体脂肪が増加している場合、若い頃と同じ食事内容ではカロリーオーバーになるのです。
内臓脂肪の増加が原因で起こる病気
内臓脂肪が増加すると様々な生活習慣病を引き起こします。
動脈硬化
動脈硬化とは、血管の壁が硬く変化して血管が細くなり、血液の流れが悪くなる病気のことです。内臓脂肪には血流に障害をもたらす物質が多く含まれています。また、内臓脂肪が多くなると、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が増えるので、動脈硬化のきっかけを作ることになります。
高脂血症
血中脂肪が多くなったドロドロ血の状態を高脂血症と言います。内臓脂肪が蓄積されるとそこから遊離脂肪酸が肝臓に入り、中性脂肪やコレステロールの合成を高めます。結果、血中の脂肪が増え、高脂血症を発症します。
血栓症
血栓とは、何らかの原因で血管の中に出来る血液の塊です。内臓脂肪は、血栓を作りやすくする物質を多く生み出すので注意が必要です。血栓が全身に広まると、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症を引き起こすことになるからです。
高血圧
内臓脂肪が増えると、血中遊離脂肪酸が増え、肝細胞のインスリンの働きが低下してしまいます。そのため、高血圧を招くことになります。
糖尿病
内臓脂肪の蓄積は、インスリンが正常に働かなくなるインスリン抵抗性を引き起こすことがあります。ブドウ糖をエネルギーに変え、血糖値を下げるインスリンが正常に作用しなくなると、血糖値は上昇し、糖尿病が発生するのです。
内臓脂肪の減らし方
内臓脂肪は落としやすい脂肪と言われています。簡単な運動と食事で確実に内臓脂肪を落としていきましょう。
運動による落とし方
内臓脂肪を落とすには、有酸素運動が効果的です。有酸素運動は、脂肪や糖質を酸素の力でエネルギーに変える運動です。無理のない範囲で毎日続けましょう。うっすら汗ばむ程度、30分ほど続けるのが効果的です。主な有酸素運動は
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
- エアロビクス
- 水泳
- 踏み台昇降
- スクワット
- ヨガ
- ピラティス
などです。
駅やバス停を変えて少しだけ歩く距離を増やしたり、自転車通勤にしてみたり、テレビを見ながら室内で出来る有酸素運動に取り組んでみたり、自身のライフスタイルに合わせて日常の生活に取り入れることが出来れば、無理せず継続的に運動できるので、内臓脂肪の減少を実感することが出来るのではないでしょうか。
食事による落とし方
内臓脂肪を落とすためには、「バランスの良い食事」が大切です。また、一日三食が基本です。食事内容としては、油分・脂肪の摂りすぎに注意しましょう。栄養成分では、納豆や豆腐などの植物性タンパク質を選びましょう。また、ビタミンやミネラル、食物繊維の多い食材を多く摂りましょう。肉は、内臓脂肪を減らすのに効果があると言われている豚肉を中心に摂り、低カロリーな海藻やキノコ・こんにゃくなども取り入れ、カロリーの過剰摂取に気を付けましょう。
さいごに
メタボの原因とも言われている内臓脂肪。身体がスリムな人でも内臓脂肪が溜まって隠れ肥満になっている人もいるようです。さらに、生活習慣病を招くなど、見た目だけでなく健康にも悪影響を与えてしまいます。
健康的な体作りの為にも、日々の運動や食生活の改善などで、効率よく内臓脂肪を減らしていきましょう。