
子供の反抗期は一般的に幼少期と中高生期の2度あると言われています。
しかしこれといった対処法があまり周知されていないので、子供との接し方に悩む人も多いでしょう。
また対処どころか「どう対処したらいいかわからない」「子供が良からぬ方向に行ってしまうのではないだろうか」「私は嫌われているのか」と親自身が不信感・不幸感を抱くようになって子供と接することができなくなってしまうケースもあります。
そうならないよう親が事前に反抗期の時期・特徴・対処法などをきちんと理解しておくことで、子育ての山場をひとつ乗り越えやすくなります。
今回は子供の反抗期の実態から対処法までをしっかりお伝えしたいと思いますので、ぜひ今後の子育てに活かしてみてください。
目次
反抗期の種類と特徴
反抗期の種類は「第一次反抗期」「中間反抗期」「第二次反抗期」と3つあり、それぞれに成長背景と言動の特徴があります。親がきちんとそれらを理解してあげることで、互いが心地良いと思う距離感で日々過ごすことができるでしょう。
第一次反抗期 2〜4歳頃 別名:イヤイヤ期
この第一次反抗期は親の言っていることの意味が理解できてくると同時に起きるもので、大人と同じことをしたくなったり、親に褒められたくなったりと自我意識が持てるようになったことの表れです。
ただ、当然ながら反発心も湧いてきます。アレはしたくない!コレじゃない!と「嫌だ」という意思を訴えてくるでしょう。
中間反抗期 6〜10歳頃
丁度小学生に当てはまる時期ですが、何を話そうにも口答えをしてくるようになります。
また、外面を良くして家と外の二面性を持つようになったり、親とのやりとりの中でムカムカすることが多くなったりという変化も見られやすい時期です。
この成長背景には親のいない小学校・友達関係の構築から、今まで親中心思考だったのが親を客観視する論理的思考に変わり、自立心を育んでいる段階なのです。
それでもまだ自立心が湧いてきたばかりなので甘えてくる場面もあります。
第二次反抗期 13歳頃
今までの反抗期の中で最もパワフルな反抗期です。
日常的にイライラしていたり大人から一定の距離を置くようになったり、反発心旺盛で親は手も足も出ないなんてこともあります。
この時期の子供の環境は人間関係のトラブル、将来についての悩みなどで不安定そのもの。
それらの経験や感情の変化を経て、子供は親ではない自らの手で1つのレールを引こうと実は動き始めているのです。
言い換えれば今までの価値観を一度崩壊させ(親の考えを軸とした価値観)、新たな価値観(自分を軸とした価値観)を構築しようという明確な自立心の表れです。
第一次反抗期の対処法
ママの精神を穏やかに保つ
子供への対応の前にまずはお母さんの心を静めることから始めましょう。
毎日子供が泣いて、あれもイヤこれもイヤと言われる母のストレスは決して容易いものではありません。
まずは自分がイライラしてきたらその場から一旦離れてみること。長時間離れると子供が危険なので、身を落ち着かせるためだけに一旦その場を離れます。溢れ出てくるものがあるでしょうが、ひとまず深呼吸。外に放出、吐き出すイメージで、何度か深呼吸を繰り返しましょう。
そして時には信頼できる人に話しを聞いてもらったり、一緒に面倒を見てもらったりと頼ることも必要です。
家族の協力を得られないという場合があるかもしれませんが、その場合は子育てカウンセラーや子育て支援センターなどで話を聞いてもらうことも一つです。
子供と接するには、子供の言うことに「立ち向かおう!」とせず「一度理解してあげよう」と寄り添う姿勢で。
この時期はママが子育てに疲れないように、そして自分を追い詰めないようにしないと、それが子供に伝染してしまい、負のサイクルが生まれる場合があります。
「反抗期は成長の表れ」そう自分の中にしっかり留めておけば、イライラすることも少なくなります。
子供にはやりたいことをやらせてあげる
子供の中で自我が生まれたことによって「興味がある」というような言動をしてきますが、そうした場合は危なくないことであればぜひ積極的にやらせてあげてください。
取り組んでみて万が一できなかったとしても「こうしてまたやれば、次できるかもしれないよ!」と背中を押してあげてください。
できた場合はしっかり褒めてたくさん抱きしめてあげてください。
この時期に必要なのは安心できる場所で何かを経験し達成できるかどうかです。親が安心できる場所の提供や助け舟を出してあげられれば、子供は自我・チャレンジ精神を活かして心も体もぐんぐんと成長してくれます。
子供が納得するような言い方に置き換える
「ご飯を食べよう」も遊んでいる最中だから「イヤイヤ」、「着替えよう」もテレビを観ているから「イヤイヤ」で親の言うことをことごとく聞かなくなる時期もあります。
その場合は本人が気を引きそうな理由やメリットをプラスした言い方に換えましょう。
「〇〇(人形)が一緒にご飯食べたいって言ってるから一緒に食べよっか!」や「今日は保育園で大好きな〇〇先生とお散歩行くって言ってたから、一緒にお洋服選ぼう!」など本人が理解しやすいような言葉で伝えることで、自然と親の思いに沿った行動が取りやすくなります。
中間反抗期の対処法
頭ごなしに怒らず、気持ちを話す
叱らないということは非常に困難だと思います。しかし口答えをしてくる子供に、無駄に対抗してはいけません。
子供は甘えたい反面で反発を繰り返してしまう傾向がこの頃にありますが、「うざい」「馬鹿」「ババア」など言われた人の気持ちまでは考えていません。
無鉄砲に言われることがどんな衝撃を与えるのか、自分もその人の気持ちになって考えるようにしっかり話をしましょう。
積極的にコミュニケーションをとる
自立心が徐々に育まれてきてはいますが、甘えるのを我慢したり、かまってほしいからと暴力を振るう場合があります。
身体はどんどん大きくなっていくので、その分心も追いついているかと思いきや、実はそうではありません。
まだ褒めたり抱きしめたりしてほしい子供心も十分に持っているので、決して放置したり、手をかけないようなことはせず、積極的にコミュニケーションを取りましょう。
ご褒美制度を設ける
この頃の子供は自分に何かメリットを感じたり、達成感を得ると自立心の発達に結びつきやすいです。
お小遣い制も徐々に慣れてきて、自分の生活にマンネリを感じている頃かもしれないので、「宿題ちゃんとできたら大好きなお菓子をあげるから頑張ろう!」や「運動会で1位になったらおもちゃ買ってあげるから授業一生懸命やろうね!」など何かとご褒美制度をつけて、「自分のことを見ていてくれている」と意識づけをすると自然と反発心がおさまり、素直な感情を示すようになります。
ぜひ常日頃から「ちゃんと見ているよ」と目を向け、声をかけてあげてください。
第二次反抗期の対処法
大人として扱う
確かに親からすれば自分の子供は一生子供。
しかし先程特徴にもあったように自立心が掻き立てられている最中は、甘えや手助けを拒みやすい時期なので「まだ子供なんだから…」と子供扱いしては、「自分はまだ認められていない」と悲観的な考えを持つようになってしまいます。
子供自身の存在価値や存在意義を損ねることのないよう一大人として接し「自分は認められているんだ!」と意識を持たせましょう。そのように認めてもらったという感覚を覚えれば、子供は親の存在が受け入れやすくなります。
子供が意見を言える場を作る
反抗的な態度を取っていても心の内は「自分の話を聞いてほしい」「自分の話を理解してほしい」と思っています。
本来であれば自分の力でそのような場や間を設けるものでしょうが、まだそこまではできません。
親からすると耳を傾けたくても傾けられないような態度を子供が取ってしまっているかもしれませんが、そこはぐっと我慢。親の手助けとしてそっと子供が意見を言える空間作りをしてあげましょう。
ただ子供が話したくないのに話す場を設けても迷惑がられて逆効果です。
会話の最中で、子供が話したそうな言動をしてきたら話をかぶせたりせず、きちんと黙って聞いてあげましょう。
見守る姿勢を持つ
親の知らない環境で子供は常日頃何かと葛藤しています。
しかし一方では自分でなんとかしようという気持ちもあります。助けてあげたい親心はありますが、過剰にかまってしまうと逆にマイナスに走ってしまうこともあるので、少し距離を置いて優しく見守ってあげましょう。
本当に必要な時に甘えられるようなスタンスを日頃から作っておくのも、親だからこそでできる大切な役目です。
さいごに
いかがでしたか?
どの時期においても言えることでしたが、反抗期=成長の表れですね。
反抗期の背景には子供自身の葛藤や考えがあって、それをアプローチするための一つの手段なのです。
それをストレートに捉えてしまうと親がストレスを感じやすくなってしまいますが、事前に成長背景を理解しておくと逆にその姿も微笑ましく思える時が来るのではないでしょうか。
きっとそう察してくれた親に子供は自然と感謝できるようになります。
子供を根っこから信じてあげることができるのは、親でしかいません。
穏やか家庭環境を築くためにも、反抗期を親子一緒に乗り越えていきましょう。